オメガ3脂肪酸は腸内環境の善玉菌を増やす油!

青魚

人間の健康と腸内環境の間にはとても深い関係があります。

そしてその腸内環境の良し悪しは、腸内フローラ=腸内細菌叢によって、つまり腸内細菌の勢力図によって決まると言っても言い過ぎではありません。

腸内細菌の種類や数は文献によって違いますが、少なくとも100種類以上・100兆個以上の腸内細菌がすんでいて、便宜上、善玉菌・日和見菌・悪玉菌の3つに分類されています。

健康のためには善玉菌を増やし、悪玉菌を増やさないようにしなくてはなりませんが、それに大きな影響を与えるのが、毎日の食べ物です。

おおざっぱに言うと、善玉菌のエネルギー源となるのは糖質や食物繊維、悪玉菌はたんぱく質や脂質がエネルギー源となります。

その中でも脂質(油、脂肪)は、肥満や色々な病気のもとになることもあって、とにかく目の敵にされることも多いのですが、実は脂質の種類によっては善玉菌に良い影響を与えることがわかってきました。

それがオメガ3脂肪酸(ω3脂肪酸、n-3系脂肪酸)なのです。

今回はオメガ3脂肪酸やその他の脂肪酸と腸内環境の関係などについてお伝えします。

油は太るから不要?

オイル

ダイエット中には敬遠されがちな油ですが、人間のカラダには必要な栄養素です。

ちなみに常温で液体なのが油、個体なのが脂、合わせて油脂と書きます。

油脂は栄養成分としては脂質と言い、炭水化物やたんぱく質ととも三大栄養素と呼ばれ、エネルギー源となる栄養素です。

また脂質の中にはエネルギーとなるばかりではなく、細胞やホルモンを作るために必要になる成分もあります。

そして脂質の一種であるオメガ3脂肪酸は、腸内細菌に良い影響をもたらすといわれている油です。

そのオメガ3脂肪酸とは何かをご説明するために、まずはお話の順序として脂肪酸の種類についてまとめていきたいと思いますが、

そんなことはいいから、どんな油がどんな影響を腸内環境に与えるのか

を知りたい方はコチラ↓

取った脂肪酸によって増える腸内細菌が異なる?

脂質の分類

脂質

まず、脂質とは脂肪酸とグリセロールが結合したもので、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸という脂肪酸の種類によって2つに分類されます。

分子の中に2重結合がないのが飽和脂肪酸、あるのが不飽和脂肪酸です。

飽和脂肪酸

酪酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸など

飽和脂肪酸はバターやラードなどの動物性脂肪に多く含まれています。

物質として安定しているので融点が高く常温で固体となるため、取りすぎると人間の体内でも固まりやすくなり、血液がドロドロになって動脈硬化などの原因となるのです。

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は植物油に多く含まれています。

不飽和脂肪酸は2重結合が2つ以上ある多価不飽和脂肪酸と、1つだけの一価不飽和脂肪酸に分かれます。

多価不飽和脂肪酸

さらにオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸に分かれます。

オメガ3脂肪酸

α-リノレン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)など

亜麻仁油やエゴマ油にはα-リノレン酸、そして青魚にはDHAやEPAが多く含まれています。

オメガ3は血液をサラサラにする効果と、コレステロール値や血圧を下げる働きがある脂肪酸です。

オメガ3を代表するα-リノレン酸は、人体に必要な脂肪酸ですが体内で作ることができず、食べ物からとる必要があるので、必須脂肪酸と呼ばれています。

オメガ6脂肪酸

リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸など

コーン油、大豆油、ごま油など、いわゆるサラダ油などの食用油に多く含まれています。

オメガ6も体に必要な脂肪酸ですが、取りすぎるとアトピーや花粉症などのアレルギーや炎症を促進してしまう働きがあるので注意が必要です。

またリノール酸も必須脂肪酸なのですが、食用油に幅広く含まれているので不足する心配はほとんどなく、普通の食生活をしていれば意識して取る必要はありません。

むしろできるだけ減らすようにしたほうがいいでしょう。

一価不飽和脂肪酸

オメガ9脂肪酸

オレイン酸、パリミトレイン酸

オリーブオイル、マカダミアナッツ、パーム油などに含まれています。

オレイン酸には血液中の悪玉コレステロール値を低下する働きがあります。

しかしオリーブオイルやパーム油を取りすぎると、大腸がんを誘発するという研究報告がありますので、やはり気をつけなければなりません。

トランス脂肪酸

実は不飽和脂肪酸にはシス型とトランス型があります。

自然界に存在する脂肪酸はシス型が多く、今までご紹介してきた脂肪酸はすべてシス型です。

問題視されているトランス脂肪酸については別記事があります。

トランス脂肪酸が危険だという理由は?危険性は高いの?腸への影響は?

取った脂肪酸によって増える腸内細菌が異なる?

腸内細菌

食べた物は人の栄養になるだけではなく、腸内細菌のエサにもなります。

腸内細菌によってエサとなる成分が違うので、食生活の違いが腸内環境にも大きな影響を与えるのです。

基本的な例として、食物繊維が豊富な野菜などを多く食べると善玉菌が、たんぱく質や脂質が豊富な肉類を多く食べると悪玉菌が増えやすくなります。

ところが脂質の中でも、善玉菌(特に痩せ菌!)を増やす脂質と、悪玉菌を増やす脂質があることが研究の結果わかってきました。

マウスを使った研究の報告では、

  • 飽和脂肪酸の豊富なラード(豚脂)を多く与えると、炎症を起こす悪玉菌のビロフィラが増えた。
  • 不飽和脂肪酸のオメガ3が豊富な魚油を多く与えると、炎症と肥満を改善するアッカーマンシアと、乳酸菌が増えた。

という結果が出ていました。

http://www.cell.com/cell-metabolism/fulltext/S1550-4131(15)00389-7

まとめ

SMP比という食事からとる脂肪酸のバランスの目安があります。

飽和脂肪酸(Saturated fatty acid):一価不飽和脂肪酸(Monounsaturated fatty acid):多価不飽和脂肪酸(Poly un-saturated fatty acid)の比率が3:4:3となるのが理想です。

また、多価不飽和脂肪酸のなかでも必須脂肪酸が含まれるオメガ3とオメガ6のバランスにも理想の比率があります。

オメガ3脂肪酸:オメガ6脂肪酸=1:4

とはいえ、日常の食事でこんな計算はしてられないですよね。笑

脂肪酸のなかでも、飽和脂肪酸は糖質から、一価不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸から体内で合成できますし、オメガ6は食用油の主成分なので、いずれも取りすぎることはあっても不足する心配は通常ほとんどありません。

なので油脂は全体的には控えて、オメガ3が豊富な青魚(イワシ、マグロ、サバ、サンマなど)や、サケししゃもなどを多めに食べたり、亜麻仁油を納豆やサラダにかけたりすることでバランスをとるようにすると良いでしょう。

なお、トランス脂肪酸が含まれる水素添加食用油を使用しているショートニング、マーガリン、ファットスプレッドや、それらを多く使っているファーストフードやスナック菓子などは、できるだけ控えるに越したことはありません。

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