腸内環境の改善がうつ病の改善につながるのはどうして?

うつ病

腸内環境と身体の健康には密接な関係があることは、よく知られるようになってきました。

そしてさらに、腸内環境が身体の健康だけではなく、精神の健康にも大きな影響を与えていることにも注目されています。

脳と腸の間に脳腸相関と呼ばれる相関関係があるように、ストレスやうつ病と腸内環境の間にも相関関係があったのです。

腸内環境とは

ヒトの腸内には1000種類以上、100兆個単位の腸内細菌がすんでいます。

個人によって細菌の種類や割合は異なりますが、腸の中で働きや性質が似ている菌同士でまとまっているのが腸内細菌叢です。

これをお花畑に例えて「腸内フローラ」とも呼ばれています。

この腸内フローラの構成比率が善玉菌20%、悪玉菌10%、日和見菌70%のバランスに保たれていると健康的なのですが、何かの原因で悪玉菌の割合が増えると、腐敗産物、細菌毒素、発がん物質などの有害物質が作り出され、発がん、肥満、糖尿病、アレルギー疾患や自己免疫疾患などの原因となってしまうのです。

腸内環境を乱してしまう原因には、偏った食生活、睡眠不足、運動不足、そして加齢などがありますが、ストレスもその原因の一つとなることがわかってきました。

腸内環境とストレス

ストレスを感じることによって、腸の動きが悪くなって便秘になったり、逆に過剰になって下痢になったりすることがあります。

またそれにともなって腸内細菌のバランスが崩れることも、腸内環境の乱れにつながる一因です。

脳で感じたストレスが、腸にも伝わって調子が悪くなり、そして腸の不調が脳にストレスを与えるという負のスパイラルに陥ってしまうという仕組みになります。

腸内環境とストレスの関係については別記事にまとめてあります。

腸内環境とストレスの関係

腸内環境とうつ病

腸内環境とうつ病の関係については、現在も研究が進められているところです。

その研究のひとつに、うつ病の状態にしたラットに善玉菌の代表であるビフィズス菌を投与した試験結果が出ています。

うつ病と似た行動をするようにした、うつ病モデルのラットにビフィズス菌を投与すると、うつ病様行動が改善したと報告されています。

またヒトを対象にした研究報告では、ビフィズス菌や乳酸菌を30日間投与したところ、うつや不安などのストレス症状が優位に改善したという結果が出ました。

このように精神状態を変化させる微生物のことを「サイコバイオティクス」と呼び、近年研究者の間で注目されています。

善玉菌を取り入れることで体の健康増進を目指すのが「プロバイオティクス」で、善玉菌で精神の健康を向上させようとするのがサイコバイオティクスというわけですね。

うつ病とセロトニン

うつ病になるのは、脳の中にあるはずの脳内ホルモンのセロトニンが不足しているからだと言われています。

セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれている脳内ホルモンで、気分や感情のコントロールする働きがあります。

セロトニンが不足することで心のバランスが崩れやすくなり、怒りっぽい・キレやすいなど攻撃的になったり、逆にやる気が起きない・くよくよしやすいなど、様々な症状が現れるのです。

憂鬱

腸内環境とセロトニン

腸内環境が乱れると、セロトニンが脳内で不足する原因の一つにもなります。

体内に存在するセロトニンの9割が腸内にあるのですが、腸で作られたセロトニンが直接脳に運ばれることはありません。

しかし、セロトニンの原料となる「トリプトファン」は、食べ物から胃腸で消化されて体に吸収されます。

トリプトファンは肉や魚などのタンパク質に含まれている必須アミノ酸の一つなので、腸内環境が乱れることで食物の消化吸収が下がると、必然的にセロトニンの原料も足りなくなりやすいのです。

また、脳内ではトリプトファン⇒5-ヒドロキシトリプトファン⇒セロトニンというように合成されますが、このときにビタミンB6が必要になります。

ビタミンB6は魚や肉、バナナなどに多く含まれていますが、実は腸内細菌も作り出している栄養素です。

ですから腸内環境が悪いと、食べ物からの吸収率が落ち、さらに腸内細菌も働きが鈍くなってビタミンB6の生産量が落ちてしまいます。

腸内環境を改善するには

腸内環境を整えるには、食生活が重要です。

善玉菌が喜ぶ食物繊維やオリゴ糖などを多く含む食品を選び、悪玉菌が喜ぶ脂質や高たんぱくな食品をとりすぎないようにします。

腸内環境を良くする食品については別記事にまとめました。

腸内環境を良くする食べ物は?

まとめ

脳腸相関によって、脳がストレスを感じると腸にもそれが伝達され、逆に腸の不調も脳に伝えられます。

乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を投与すると、精神状態に好影響を与えるという研究結果が報告されました。

脳内でセロトニンを十分に合成するためには、腸内細菌の働きが必要なので、腸内環境を整えることが大切です。

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